しあわせな夢を見て居られますか【AU】

7種類の結果パターン

Good night, and poor thing... - 2024年5月17日

♥︎｜dream；これは悪夢?







ささやかな風が貴方を誘った。だがここはよく分からない場所。


遠くに黄色いシルエットが見えてきた。貴方はそのシルエットの正体を知っている。

走り出した、彼に会うために。





　






途中で後ろから低い声が貴方を呼びかけたような気がするが、きっと気のせい、

走るのをやめないで。







　





「‥YOUちゃん、ひさしぶりだね」


やっとの思いで彼の隣に歩く貴方に、ドリームは太陽のように優しい笑顔を向けた。



「僕に会いたくなっちゃった？それだったら、嬉しいんだけど…」

そう彼は自身の背中に両手を回して、何かを隠すような素振りをする。
もしかしたら怪しい動きかもしれないが、彼の表情的にそんなことはありえない。





「あっあのさ…見せたいものがあるんだよね、実は」

そう優しい琥珀の色をした瞳は、恥ずかしそうに潤んだ。そんなところが彼らしいとも思う。

貴方は気になる，と彼に伝えた。その瞬間、








彼の顔はぱーっと明るくなる。

「そ、そっか、！！……お、驚かないでよ、？」

そう言う彼に頷くと、彼はゆっくりと両腕を胸の前に出した。その黄色い手袋の上に乗っていたのは、

かわいい黄色をした花冠












ではなく、先が尖った包丁だった。





その瞬間、貴方の背筋は悪寒を感じ凍るように寒くなる。なんとか彼の表情を伺うと、

さっきまで輝きを保っていたハイライトは消え失せ、若干黒ずんだ黄色い瞳で貴方を見つめていた。



「…うふふ、キミを僕のものにするんだ。」

そう彼は包丁の持ち手をしっかりと持つ。けどその手はどこか震えていた。





「………ね、10秒だけ待つから…、嫌だったら、逃げて。まだ、今なら大丈夫、だから……

ほんとうは、キミを◯したい気持ちなんかないんだ…」


そう彼の瞳は悲しそうにハイライトを取り戻した。今のうちに、でも彼のことを置いて行っては行けないような気もする。


けど、心配よりも今は自分の命が大切だ。

悲しそうにこちらを見るドリームに対して申し訳なさを心に閉じ込めて、

貴方は背中を向けて走り出した。



















「……ぼくは、気持ちを必ず改めないといけない。」


そう包丁を持った彼は、包丁に反射する自分の顔を見ながらつぶやいた。





*

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