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涙が溢れて止めようが無い。
何も救えてなんかいなかった。
眠る彼を囲んで、熱くなった手に触れた。
涙の伝った痕の残る頬を、少し汗の滲む額を撫でた。
上下に動く胸や腹に手を置いて、生きていると実感した。
それでも、何一つ安心感を得られなかった。
確かにこれ以上、彼が加害される事は無い。
だけど、だけど。
宮舘は救われてなんかいない。
傷ついた身体が、壊された心が、ただ加害者が居なくなっただけで元に戻る筈が無かった。
此処からなのだ。
自分達が本当に向き合うべき時間は、此処から。
もう大丈夫だと、何も怖く無いと宮舘が分かってくれるまで伝え続けないといけない。
宮舘が何かに怯える日が来なくなるまで、支えていかないといけない。
………それは、いつまで？
途方もないことの様に思えた。
先が見えなかった。
こんなに、こんなに丁寧に壊された人を見た事が無いから。
助けられたと思ったのに。
漸く、助けられたと思ったのに。
八人全員が泣いていた。
どうしようもない現実に絶望して、気が狂いそうで。
自責の念に押し潰されそうで＿＿いっそ、潰れてしまいたかった。
「……これから、どうなるんだろう……。」
小さく呟いたのはラウールだった。
「俺たち、どうしたらいいんだろう……。」
どうしたら、良かったんだろう。
ラウールの頭を深澤が引き寄せた。
抱き締めて、わしゃわしゃと撫でる。
誰にも分からない、これからの話。
今はまだ、考えたく無かった。
「舘さんが、起きたらさ。ちゃんと話し合おう。」
「そうだな。舘さんと一緒に決めよう。」
阿部と、岩本の言葉に皆で頷いた。
宮舘が目を覚ますまでは、何も考えずに泣いていたかったから。
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user(プロフ) - ライさん» 初めまして、コメントありがとうございます。私生活との兼合いでスムーズ更新とは言えませんが、今後も楽しんで頂けますと幸いです！ (3月5日 22時) (
レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 初めまして！更新楽しみに待ってます！ (3月5日 10時) (レス) @page37 id: 704f0c8ab3 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - ceruさん» 初めまして、コメントありがとうございます。あたたかく有難いお言葉、心の底から嬉しいです！これからも楽しんで頂けます様、精進いたしますのでよろしくお願いします！ (2月21日 1時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
ceru(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。作者さんの作品、全て文章力も内容も作品の雰囲気も素敵すぎて、一気に全て読んでしまいました。特に、この作品が大好きです。素敵な作品ありがとうございます！ (2月19日 14時) (レス) @page2 id: c99a8bf9b2 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - sunshineflowerlさん» 初めまして。コメントありがとうございます。その言葉が活力となっております。どうか楽しんで頂けますと嬉しいです！ (2月7日 1時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：user | 作成日時：2024年2月4日 21時
