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助けを求めて良いのかも分からなくなっていた。
こんな身体で守れるのか、自分は必要なのか。
何もかもがめちゃくちゃになっていた。
あの時、深澤が声を掛けなかったら、自分は今どこにいたのだろう。
「だから、ありがとう。」
「ぅあ、」
岩本が泣き崩れた深澤を支え、宮舘の近くに寄る。
宮舘は手を伸ばし、それに答える様に深澤はその手を取った。
手の平から伝わる熱さが深澤の心にまで届く様だった。
そして宮舘は空いているもう一方の手を渡辺に伸ばした。
渡辺はまだ動こうとしない。
「翔太。」
「……何。」
「あの時、手を握ってくれてありがとう。」
佐久間の腕の中にいた宮舘の手を握ったのは渡辺だった。
怖かった筈なのに、それはよく知った感触で。
悲痛な声で、だけど誰よりもはっきり何があったのか教えてくれと叫ぶ声がどれほど力を与えてくれたことか。
「腕……傷、見せようって思ったの、翔太が手を握ってくれたから。」
「…………。」
「覚悟決めれた。ありがとう。」
だから、はい。
そう言って手を伸ばす宮舘。
渡辺はふらふらと歩み寄ってその手を掴んだ。
「……りょうた。」
「うん。」
「ごめん……。」
「ふふ、なんで謝るの。」
宮舘は繋がる両手に力を込めた。
そうして一人ずつと目を合わせる様に辺りを見回す。
泣き顔、笑顔、心配顔。
「……それで、みんながいたから。」
泣いてくれたから。
痛がってくれたから。
俺を思ってくれたから。
「だから、」
助けてって言っても良いんだって思ったんだよ。
きっかけをくれた。
力を与えてくれた。
俺のために心配して、俺からの言葉を待ってくれたから。
「だから助けてって言えたんだよ。」
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user(プロフ) - ライさん» 初めまして、コメントありがとうございます。私生活との兼合いでスムーズ更新とは言えませんが、今後も楽しんで頂けますと幸いです！ (3月5日 22時) (
レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 初めまして！更新楽しみに待ってます！ (3月5日 10時) (レス) @page37 id: 704f0c8ab3 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - ceruさん» 初めまして、コメントありがとうございます。あたたかく有難いお言葉、心の底から嬉しいです！これからも楽しんで頂けます様、精進いたしますのでよろしくお願いします！ (2月21日 1時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
ceru(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。作者さんの作品、全て文章力も内容も作品の雰囲気も素敵すぎて、一気に全て読んでしまいました。特に、この作品が大好きです。素敵な作品ありがとうございます！ (2月19日 14時) (レス) @page2 id: c99a8bf9b2 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - sunshineflowerlさん» 初めまして。コメントありがとうございます。その言葉が活力となっております。どうか楽しんで頂けますと嬉しいです！ (2月7日 1時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：user | 作成日時：2024年2月4日 21時
