＊ ページ15
.
「ふっかのせいじゃ無い。どの道、あのままだったらいつかは同じ様になってたと思う。でも、その時には本当に舘さんが壊れてたかもしれない。取り返しのつかないことになってたかもしれない。ふっかはそれを防いだんだよ。」
「……というか、舘さんは壊れてなんか無い。ここにちゃんといて、仕事だって前みたいに頑張ろうとしてくれてる。でも、あの時が無かったらそれも出来なくなってたよ。手遅れになる前に気付けて良かった。そうだろ？」
阿部の隣に立って、岩本も言う。
「自分を責めるなとか後悔するなとか、難しいと思う。俺もそれは分かる。でもそれで舘さんの隣に立たないのは違う。」
強い言葉だ。
仲間を思うからこその、強い、言葉。
全員が抱え込む事を選んだ時から、岩本の言葉は芯が通って、強い。
「…………引き金じゃないよ。」
今までずっと沈黙していた低音が響く。
眠っていた筈の宮舘の声。
驚いて皆がベッドに駆け寄る中、渡辺と深澤は動けなかった。
起き上がろうとする宮舘の背を佐久間とラウールが両側から支える。
「涼太、寝てた方が良いんじゃ、」
「ううん、起き上がってる方が楽。」
心配そうに言う佐久間に微笑んで答える。
触れている背中の熱さに、そんな事ないだろうと言いたくなるけれど耐える。
佐久間とラウールは目を合わせて頷き合った。
宮舘はきっと、渡辺と深澤の目を見て伝えたいのだと分かったから。
「ふっか。」
「……舘さん、」
「引き金じゃない。」
「でも、俺、」
「ふっかは、きっかけをくれたんだよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
user(プロフ) - ライさん» 初めまして、コメントありがとうございます。私生活との兼合いでスムーズ更新とは言えませんが、今後も楽しんで頂けますと幸いです！ (3月5日 22時) (
レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 初めまして！更新楽しみに待ってます！ (3月5日 10時) (レス) @page37 id: 704f0c8ab3 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - ceruさん» 初めまして、コメントありがとうございます。あたたかく有難いお言葉、心の底から嬉しいです！これからも楽しんで頂けます様、精進いたしますのでよろしくお願いします！ (2月21日 1時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
ceru(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。作者さんの作品、全て文章力も内容も作品の雰囲気も素敵すぎて、一気に全て読んでしまいました。特に、この作品が大好きです。素敵な作品ありがとうございます！ (2月19日 14時) (レス) @page2 id: c99a8bf9b2 (このIDを非表示/違反報告)
user(プロフ) - sunshineflowerlさん» 初めまして。コメントありがとうございます。その言葉が活力となっております。どうか楽しんで頂けますと嬉しいです！ (2月7日 1時) (レス) id: aa6a12d65e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：user | 作成日時：2024年2月4日 21時
