紅一点×SnowMan⑩ (ページ21)

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どうやら私がアイドルという立場だから、
色々と気にしてくれてるっぽい。

そんな気遣いに思わずクスッと笑ってしまった。

高『え？』

「あっ。いや。すみません。そんな気を遣っていただかなくても大丈夫ですよ？行きましょうか。」

私は高杉さんと一緒にラウンジに向かう。

コーヒーがあったから、買おうとしたら、
隣の高杉さんが財布を出してくれたので、
素直に甘えることにした。

「ありがとうございます。」

『いえ。俺が誘ったのでコーヒーくらいは買わせてください。』

向かい合って席に座る。
彼は少し表情が固いけど、何か大切な話だろうか？

「どうかされましたか？」

『いや、年代も近いし、実はデビューした時期が同じなんです。だから話してみたいなと思ってて。』

「え？そうなんですか？」

『はい。俺も2009年に初めて仕事してて。』

「あ。そしたら全く同じですね！」

それからお互いの仕事の話をしていく。

事務所の人以外とこうやって話をすることは
実はあまりなかったから新鮮だった。

仕事からいつのまにかプライベートの話になる。

『ちなみに、松雪さんは誰かとお付き合いとかされてるんですか？あ。これってアイドルの方には聞かない方がいいですよね。』

聞いて、気づいたのか、
すごく申し訳なさそうな顔をしているのが
面白くて思わず笑ってしまった。

「あまり面と向かって聞かれたことはないですけど、答えられるので大丈夫ですよ。今はいないです。」

『そうなんですね。こんな綺麗なのにもったいない。』

「そんなことないです。状況が状況なので、結構敬遠されるんですよね。」

『なるほど。だったら、、、。』

高杉さんはそう言って少し黙ってから、
私の顔を見て言った。

『俺、立候補してもいいですか？』

「え？」

『実は、前からたまにスタジオでお見かけすることがあって。綺麗な人だなと思ってたんですけど。今日こうして話してみて、もっと松雪さんのことを知りたいと思いました。』

「、、、ありがとうございます。」

こんな真っ直ぐと好意を向けられたことが久々で、
戸惑いがある。

だけど、嫌な気持ちにはならなかった。
なべくんのこともあるし、こうして、他の人、、、。

しかも事務所外の人に目を向けるのもいいかもしれない。

『もし良かったら、今度食事行きませんか？』

「はい。ぜひ行きましょう。」