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"ねえ、目黒くんの連絡先しってる？"
そう言った彼女はキャリーバッグを開け、翌日着るのであろう華やかなワンピースをハンガーにかけた。
連絡先は知っているけれど、さすがに勝手には教えられない。
ここは知らないフリを…
神「知ってるよね。同期だし＿＿」
ベッドに腰掛け、不敵な笑みを浮かべた神楽さん。
神「2人で出かける仲みたいだし？」
『……っ』
神「じゃあ、また夜に」
それだけ言い残し、カードキーを1枚持って部屋を出て行ってしまった。
……ちょっと待って。
まさか、あのプラネタリウムに、いたの？
ピロン♪
考え事をしているとスマホが鳴った。
深澤大丈夫?
具合でも悪い?
どうしていきなり……はっ！集合時間！！
Aすみません、すぐ行きます
バッグを握りしめ急いでロビーへ向かった。
10分後に集合と言われていたのに、もう20分も経過してしまっている。
『遅く、なりましたっ』
深「そんな慌てなくても」
ラ「大丈夫ですか？」
息も絶え絶えな私を労わってくれる優しい彼ら。
深「少し休んでから出発しよ」
ラ「そうしましょう」
『いえ！大丈夫です』
だって、ただでさえ私のせいで時間が…
深「俺も休みたいしさ、ね？」
『……ありがとうございます』
どうやらお言葉に甘える選択肢しか無いらしい。
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ラ「わ〜〜見てくださいっ！」
村上くんリクエストの動物園にやってきた。
さっそくお目当てのシロクマを見つけて大はしゃぎ。
その様子を少し離れて見守っていると…
深「なんかあった？」
心配そうにこちらを見る深澤さん。
深「食欲もないみたいだったから」
そう。
さっきのことが気になって、せっかくの美味しい海鮮もあまり食べることが出来なかったのだ。
楽しい旅行のはずが、なぜこんな事に…
部屋に戻るのが怖い。
夜にならなければいいのに、なんて。
深「俺に出来ることある？」
『……』
深「とは言っても出来ることなんて」
『話、聞いてほしくなったら連絡してもいいですか』
深「……もちろん。待ってるね」
何かを察したのか、それ以上は聞かれなかった。
本当にどこまでも優しい人だな。
ラ「2人とも早く早く！」
数メートル先で手を振る元気な彼。
深「なんだか保護者になった気分」
『わかります、可愛い』
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作者名：あんこ | 作成日時：2024年4月16日 23時
