出来ることなら隠れたい…① (ページ26)

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《渡辺side》

デビュー曲のレコーディングをして、衣装合わせもして、MVの撮影の日がやってきた。

セットを見て、結構なお金をかけてもらってることを実感するよね…

『翔太〜』

渡辺「ん？」

『緊張するんだけど』

渡辺「Aでも緊張するんだ？」

『今日はヤバいよ！隣に座ってていい？』

渡辺「え！？」

『え？ダメなら他行くよ…』

上目遣いで頬を膨らませて、拗ねてますよアピールの顔。

…めっちゃ可愛い！！

渡辺「ダメじゃねぇよ！めずらしいから驚いたんだよ！」

『ふふっ(笑)昔みたいに翔太を頼ってあげようと思って！』

いつからか、まとめ役も回し役も俺じゃなくなって、Aから頼られることが減ったのは事実！笑

昔は逆に遠慮されてたのかな？

今はめちゃくちゃ文句言ってくるもん！

渡辺「いつも頼れよ、バカ」

『ん〜、翔太は言い合いしてる方がしっくりくる』

渡辺「俺だって阿部みたいに体調悪い時に頼られたいし、ふっかみたいに悩み聞いてやりたいし、めめみたいに甘やかしてほしいからな！」

『そんなこと思ってんの？』

渡辺「俺は言い合いなんかしたくねぇ！」

『そうなんだ？じゃあ気を付けるね？』

渡辺「なんで疑問形なんだよ」

『翔太との距離感を掴み直すために時間かかるじゃん』
　
渡辺「そうなの？」

『翔太が優しくしてくれたら優しくする！』

渡辺「…わかった」

Aは俺のツンツンに反発してるよね。

でも、俺も好きでツンツンはしてないんだよな〜。

好きが溢れそうで素直になるのが怖いんだよ…