どんな空でも(4) (ページ20)

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「ご飯食べて、寝て、また食べて。
エネルギー貯めたら、倒れるまでやればいい。
なにもSnowMan9人で闘ってんじゃないんだから。
…俺らもいるよ、15人もいるじゃん。
他にもいるよ、…みんな、ちゃんといる」

樹くんとジェシーくん、慎太郎くんは仕事があったのに、
ギリギリまでいてくれたんだって。
慎太郎くんが握ってくれたという、手のひらくらい
大きなおにぎりが3つ。
朝日が昇るまでかかったけど、ちゃんと食べきった。

さっきまで起きてたんだよってソファには京本くん。
北斗くんの向かい側にはパイプ椅子に座ったままの
髙地くんがいてくれた。

「また、今日もある。
ちゃんと起こすから、ゆっくり寝てな」

おにぎりを食べ終わったら、また眠たくなって。

「…ごめんね」

「なにが？…謝ることなんもないじゃん。
あー…あるとしたら、黙ってたことかな。
結構怒ってたんだよ、俺ら」

「…うん」

「…でも、いーよ、もう、いい。
あんなの見たら、全部吹き飛んだ、ぜーんぶ。
話したくなったら、話してよ、聞きたい。

…もう今は何も考えないで、ほら、寝て」

少し不器用なトントンが心地よくて、眠りにつく。

いつかは、なんて沢山考えた。
いつか訪れる未来も、いつか訪れる終わりも。

何年経っても、何十年経っても。
おじいちゃんになって、しわくちゃになっても、
何枚もシングルやアルバムを重ねて、
僕達は9人で、SnowManのままでいられるんだって
そう信じて疑ってなかった日に、終わりは必ず来る。

きっと、僕は、今のふっかさん達も、康二くんも、
めめの年齢にも追い付くことは出来ない。

デビューしたグループの最年少のまま
死んでいくのかもしれない。

未練たらたらで、後悔なんて山ほどあって
みっともなく死にたくないだなんて
嘆いて、泣いて、喚いて、すがるかもしれない。

どれだけ充分だと自分に言い聞かせたって、
みんなと生きていたいと思う気持ちは消せないんだから。

でもね、1つだけ。

たった、1つだけ、分かることがある。

例え、どんな終わりを迎えたとしても。
どんな思いを抱えて、泣いていたとしても。

僕は、ちゃんと幸せだった。

例え、少し形が変わったとしても、
SnowManが9人だってことは何も変わらない。
僕は僕のままで、みんなはみんなのまま。

ずっと、ずっと一緒だよ。

僕は、幸せだった。
それはきっと、何があっても変わらない、揺らがない。
僕は愛されてたって、ちゃんと笑えるよ。