ジェンダーレスへの花吹雪 (ページ12)

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#05 ページ12

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美容の仕事が増えてくるようになったこの頃、忙しなさが増える一方、嬉しさで満たされていく感覚を覚える。

眩しいシャッター音

沢山のカメラを掲げる方々、

マイクを持ったアナウンサー。

新聞のためか雑誌に使いたいのか、
メモを掲げている新人のような女性の姿もチラホラ見える。

有難いことに俺がイメージキャラクターに就任させて頂いているスキンケア用品ブランド。

『今日』は、化粧水だ。

「それでは弊社のイメージキャラクターに就任されたSnowMan渡辺翔太さんです。」

わっ、と拍手喝采の中、登壇する。

心をもう一度。

シャキリと奮い立たせなくては。

「渡辺さん、こちらの新商品をご使用された感想はいかがでしょう。」

「…。

…なんといっても保湿力が、凄いです。

何がすごいか、って、過度に強すぎるわけではないんですよね？

えー、ベタつかないと言いますか。

だけどサラサラしすぎてる訳でもないので、どんな肌体質の方でも使えるかと。」

座る者立つ者、みなが俺の言葉に筆を取り、カメラを回し、マイクを向けるものだから

会場の音は一気に高まる。

どうやら言葉の模範解答を出せたらしい。

こういう場合、俺は聞かれた質問に忖度なしに答えるつもりでいる。

嘘なんてつきたくねぇし、ついたところで後悔するのは俺だし。

けれどもやはり企業のイメージキャラクターというお墨付きもある訳で。

だからこそ自分自身の言葉であるにもかかわらず、少しばかり考えるものもある。

「ちなみに渡辺さんが実際に使ってみて、この化粧水をおすすめしたい！と思う方は居ますか？」

「居ますね。」

これは即決だった。